診療費回収

Medical Claims Collection

医療機関の診療費(未収金)の回収について、医療機関の実情を理解した対応を行います。

1. 診療費回収とは

医療機関では、診療を提供した後に診療費が支払われない事案が一定の割合で発生します。

患者の経済的事情、保険適用の認識違い、診療内容への不満、悪意による不払い等、未収金が生じる原因は多岐にわたります。

医療機関の経営において、未収金の累積は無視できない経済的影響を与えるだけでなく、職員の事務負担、医療機関と患者の関係への影響等、複合的な問題を引き起こします。

当事務所では、医療機関の実情を踏まえた診療費回収のご支援を行います。

2. 対応する場面

督促業務の助言・代行

未収金の督促について、文書による督促、電話督促の進め方、督促のタイミング、回収可能性の判断等について助言します。

医療機関自身で行う督促業務の進め方を整理することで、職員の負担軽減と回収率の向上を図ります。

弁護士名義による督促

医療機関自身による督促では応じない患者に対して、弁護士名義での督促状を発送します。

法的措置を視野に入れた段階に進んだことを患者に明示することで、任意の支払いを促す効果があります。

支払督促・少額訴訟・通常訴訟

任意での回収が困難な場合、簡易裁判所への支払督促、少額訴訟、または通常訴訟による回収手続きを行います。

事案の金額、患者の対応、回収可能性を踏まえて、適切な手続きを選択します。

強制執行

判決等の債務名義を取得した後、患者の財産(給与、預金、不動産等)に対する強制執行を行います。

応召義務との関係

未収金がある患者の診療継続については、応召義務との関係で慎重な判断が必要です。

医療費の不払いを理由とする診療拒否が正当化される場合の判断、診療継続の方針について、ご相談に応じます。

3. 診療費回収における特有の論点

医療機関の診療費回収には、一般の債権回収と異なる、医療特有の論点があります。

患者との継続的関係

患者は単なる「債務者」ではなく、診療を継続的に必要とする立場でもあります。

回収手続きの選択は、患者との今後の関係、地域での評判等を踏まえて行う必要があります。

保険診療と自由診療

保険診療(窓口負担分)と自由診療では、回収の難易度、認識上の問題、対応方法が異なります。

自由診療においては、診療前の同意取得、支払方法の合意が重要です。

消滅時効

診療費(医療費)債権の消滅時効は、原則として5年です。

ただし、2020年3月31日以前に発生した診療費債権は旧民法が適用されるため3年となります。

施行日前後の債権について、時効期間の判断を誤ると回収可能性に直接影響します。

時効管理を含めた回収戦略のご相談に応じます。

個人情報の取扱い

患者の個人情報(住所、勤務先等)を回収業務で利用する場合、個人情報保護法、医療機関の個人情報保護方針との整合に注意が必要です。

4. 診療費回収における当事務所の姿勢

診療費回収は、医療機関の経営と患者との関係の交点にある業務です。

回収を優先しすぎて患者との関係を悪化させるのも、関係を優先しすぎて経営を毀損するのも、いずれも適切な対応ではありません。

患者の事情、未収金の金額、医療機関の経営状況、地域性等を踏まえ、個別の事情への理解を踏まえた助言を心がけています。

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